この投稿は「成長の鍵は目に見えないところにー赤ちゃんの脳の秘密」Part1の続きです。
〜脳の成長がわかる!胎内から始まる驚きのプロセス〜
赤ちゃんの成長の背後には、目に見えない大切なプロセスがあります。
そのひとつが「髄鞘化(ずいしょうか)」です。
神経細胞を効率よく働かせるために必要なこのプロセスは、赤ちゃんが胎内にいる時期から成人に至るまで続きます。今回は、年齢ごとの髄鞘化の進行について少しだけお伝えします。
体内から始まる髄鞘化
• 胎児期後期(妊娠7か月以降)
髄鞘化は、妊娠の後半に脳幹や脊髄の一部から始まります。
これらの部位は生命維持に必要な基本的な機能(例えば、心拍や呼吸の調整)を担うため、出生時にある程度の成熟が必要です。
生後すぐの髄鞘化―生きるための基盤が作られる時期
生まれた直後、胎内である程度成熟していた呼吸や心拍といった生命維持に関わる神経回路の髄鞘化がさらに進みます。
特に、脳や脊髄を支える神経の髄鞘化は生後間もなく始まります。
この部分は、生きるために最も優先される領域で、赤ちゃんの体が環境に適応するための準備が整えられます。
※運動能力についててすが大切なことなので、こちらに書きます
2ヶ月までにたくさん「Tummy time(タミータイム)」腹ばいの時間(うつ伏せ)をとりましょう!
生後2週間を過ぎ、赤ちゃんが起きている時間が長くなってから少しずつ腹ばいの機会を増やしていきましょう!※ただし、授乳直後は避けましょう。
生後6か月前後―感覚と運動の発達が加速する時期
脳の下部(例えば、呼吸や心拍などの基本的な生命維持に関わる部分)から髄鞘化が始まり、次第に上部の領域(運動や感覚の領域など)に広がります。
この時期には、首が座り、寝返りができるようになるなど、赤ちゃんの運動能力が目に見えて発達していきます。
ハイハイができるようになると、探検の始まりです笑
1歳から2歳頃―歩行を支える髄鞘化の進行
脳の運動機能を司る領域で髄鞘化がさらに進みます。
運動機能の発達と密接に関連しており、歩行などの大きな身体的変化が見られる時期です。
この変化は、親御さんにとっても感動的な瞬間ですね!歩行は髄鞘化をさらに促進し、身体全体のコントロールが向上していきます。
3歳から5歳頃―言語や創造力が開花する時期
3歳頃からは、脳の高次機能に関連する髄鞘化が進行します。この時期には、言語能力が急激に発達し、会話が豊かになるだけでなく、空想や創造的な遊びが増えるのが特徴です。
脳のネットワークがさらに効率的に働くようになり、複雑な問題解決や社会的なスキルが芽生える時期でもあります。
6歳以降―未来を創る前頭前野の髄鞘化
6歳以降、髄鞘化はさらに進行し、特に意思決定や計画性を司る前頭前野が大きく成長します。
この部分の髄鞘化は、思春期から成人期にかけて最も活発になり、20代後半にようやく完成するとされています。親御さんとしては、長い目で子どもの成長を見守ることが大切な時期です。
このように、髄鞘化は赤ちゃんの脳と身体の発達を支える重要なプロセスです。
髄鞘化が進むことで、神経信号がより早く効率的に伝達されるようになります。
これにより、赤ちゃんや子どもの運動能力や認知機能が向上しますが
髄鞘化が十分に進まないと、注意力や運動調整に問題が生じる可能性があり、発達に影響を与えることもあります。
次回のPart 3は、発達に影響を与えることって!?
反射から随意運動への発達についてお話ししたいと思います。
赤ちゃんや子どもたちがどのように成長し、可能性を広げていくのか、その秘密にさらに迫りましょう!